■何のために働く?
幸せとは何か?
社員の幸せって何だろうか?
私が役員になってからというもの、そんなことを考える日々が増えて
いきました。
働くってどういうことなんだろうか?
仕事って何?
考えれば考えるほど謎がどんどん深まります。
人間生きるためには、食べていかなくちゃならない。
そして、食べるためにはもちろんお金が必要になります。
大人は子供と違って自分の力で生きていかなくちゃならないから、
食べるためのお金を稼ぐために働かなくちゃならないこともわかります。
だから、食べるために、生活するために働くのだ、と社員みんながそう
やって言うのです。
でも仕事している間も当然人間生きています。
仕事中は死んでいる?
ま、そうやって言う人もいますが・・・
しかし、ということは、人は食べるために生きているの?
お金のために生きるているの?
そんなバカな!
お金は手段のはず。
目的が手段であって良いのでしょうか?
手段に翻弄される人生で良いのでしょうか?
先日、ある取引先の支店長と話をしていたときのことです。
彼はなぜかいつも溜息ばかりついています。
そこで、彼に尋ねてみました。
「毎日楽しい?」
返ってきた答えは、
「楽しくない」
です。
さらに、尋ねてみました。
「何のために生きているの?」
「わからない・・・」
何のために生きているのかわからない人生は寂しいと思います。
私は今、毎日何をしていても楽しいです。
以前はこんな気持ちになることは、正直少なかったと思います。
せっかくだから、どうせ生まれてきたのだから、楽しまなくちゃ、
楽しく生きなくちゃ時間がもったいない。
私は、人は一様に誰でも幸せになる権利を持っていると思って
います。
楽しく、より豊かに人生を送る権利を持っています。
もっと言えば、私は、人は幸せになるために生まれてきたのだと考え
ていますし、自分自身もそのために生まれてきたのだと思うのです。
何のために自分がこの世に存在しているのかという存在意義を
感じて生きている人と、惰性で生きている人は、生き方や人としての
輝き方が変わってしまいます。
また、幸せになるための手段はたくさんありますが、それらの手段を
得ないと幸せになれないということもないと思っています。
お金がないと、家が大きくないと、豪華な車じゃないと、イケメンじゃ
ないと、ベッピンさんじゃないと、高級ブランドじゃないと、結婚しない
と、昇進しないと、誰かに勝たないと、ということばかり考えていても、
いつまで経っても満たされることがないと思います。
そして、幸せは、他人との比較によって決まるものではありません。
私たちは、誰かとの勝負に勝てば幸せになれるのでしょうか?
しかし、誰かに勝ったところで、すぐにまた新しい敵が現れ、戦いが
終わることは、きっとありません。
また、幸せは定量的に数値で計れるものでもないし、量で競える
ものでもありません。
ですから、他人より何かが多ければ、より幸せになれるというような
ことでもないと思います。
経済的に成り立つことは、大前提としても、お金さえあれば、幸せに
なれるというのは真実ではないと思います。
私の知人の経営者に、たくさんお金を持っている人がいます。
しかし、いつも眉間に皺を寄せていて、とてもじゃありませんが、
幸せそうに見えません。
いつも家庭や会社や周囲の人たちや環境に対して愚痴ばかり言って
います。
お金があっても、家庭や会社の人間関係は実質的に崩壊寸前です。
また、関心事がお金中心なので、それを口に出すことが多いです。
果たして、お金は、一体どのくらい持てたら幸せになれるのでしょう
か?
お金を持つことによる満足度は、ある一定の金額になると止まると
言われていますが、誰かとの比較による満足度は際限がありません。
何かを得ることができたら、何かを与えられたら幸せになれると考え
ているということは、幸せは自分の外側にあると考えることです。
しかし、それは非常に受け身な考え方で、もしも今が不幸だとすれば、
いつ幸せになれるのかわからないということにもなってしまいます。
いつまでも幸せがやってくるのを待ち続けなくてはなりません。
幸せは自分の内側にあるものじゃないでしょうか。
ですから、それを見つけることが大事。
かの高名なナポレオン・ヒル大先生も
〈不幸や不運などには実体がなく、人の心の中のみに存在する〉
とおっしゃっています。
今この瞬間を感じること。
過去の自分を誇り、幸せを感じる今ここに自分がいる。
未来に大志を抱き、夢を語りながら、幸せを感じる今ここに自分が
いる。
そして、そのためには感謝することが大事。
今、この瞬間を生きられる、食べられる、水が飲める、空気が吸え
る、見える、聞こえる、学べる、人とつながることができる、生きて
いるだけで、すでに私たちは、十分幸せであることを感じることです。
(我が社の朝礼は、それらの感覚や価値観を醸成させる効果が
あります)
私は、運は引き寄せるものだと思っていますし、幸せも自ら感じる
ものだと思っています。
もっと言えば、幸せを感じる能力は、トレーニングによって培われ、
また、幸せを感じる思考回路は習慣化で養われると考えています。
ネガティブに捉えてしまう癖があるという人がいます。
癖と言うのは習慣です。
習慣ならば、変えることができるはずです。
勉強だって幸せだってトレーニングによって成果が向上します。
幸せを感じる力もトレーニングによって鍛えられます。
考え方や捉え方は必ず変えることができます。
キーワードは習慣化です。
物事は、考え方、捉え方で結果が180度変わってしまいます。
ピンチをピンチと捉えるか、ピンチをチャンスと捉えるかで生き方や
人生が変わってしまうのです。
考え方、捉え方で行動が変わる。
だから、私はそこを重視します。
組織の結果や成果は、考え方、捉え方、つまり、社員達が持つ自分
が幸せになるための価値観によって大きく変わってしまうのです。
ということは、幸せになるための価値観を共有することが組織を強く
していくためにとても重要なことになるのだと思うのです。
たぶん・・・
押してくりくり~